「代謝を上げて痩せる」とは、どうやったらいいの?意外と分からない代謝とダイエットの関係

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体重計で体重を計測して満足げな女性

東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ
管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。

「代謝を上げて痩せやすい体になろう!」「代謝を上げて痩せやすい体に!」
などというセリフを聞いたことがあると思います。
しかし、実際に“代謝を上げる”とはどういうことなのか、
正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

「代謝を上げる」とは、ただ汗をかくことでも、激しい運動をすることでもありません。
それは、体が自然にエネルギーを生み出し、燃やし続ける仕組みを整えること

つまり、体を整えれば、勝手に痩せていくのです。
今回は、代謝とダイエットの本質を、トレーナーと管理栄養士の両視点からお伝えします。


代謝とは「エネルギーを生み出す力」

代謝とは、体の中で起こるすべての化学反応のこと。
私たちが呼吸し、体温を保ち、心臓を動かしていられるのは、
すべてこの「代謝」が働いているからです。

とくにダイエットに関係するのは次の3つ。

  1. 基礎代謝:安静時に生命を維持するためのエネルギー(約60〜70%を占める)
  2. 活動代謝:運動や日常動作で消費するエネルギー
  3. 食事誘発性熱産生:食べたものを消化・吸収するために使われるエネルギー

この3つが高いほど、同じ生活でも“勝手にエネルギーを使う体”になります。
つまり、「代謝を上げる」とは 体のエネルギー生産能力を底上げすること なのです。


代謝が下がると、ダイエットがうまくいかない

「食べていないのに痩せない」
「昔より太りやすくなった」

そんな悩みの根本には、代謝の低下が隠れています。

無理な食事制限をすると、筋肉が分解されて基礎代謝が落ち、
体は“省エネモード”に。
脂肪を燃やすどころか、できるだけエネルギーを節約しようとします。

その結果──
・冷えやすくなる
・疲れやすくなる
・ホルモンバランスが乱れる
・リバウンドを繰り返す

これが、代謝が落ちた体の典型的なサインです。
体を変えたいなら、まずは代謝を取り戻すこと
それが健康的なダイエットの最初の一歩です。


筋肉が「代謝のエンジン」

筋肉は、体の中で最も多くエネルギーを消費する“代謝臓器”です。
とくに脚やお尻、背中などの大筋群を動かすことで、
安静時のエネルギー消費量(基礎代謝)が高まります。

フィットネスクラブなどでは、筋肉を増やして代謝を上げましょう!と
言われたりしますが、実際に筋肉を増やすというのは至難の業。ガッツリ筋トレして
ようやく少し増えるかな?くらいのレベルです。
ですから、大事なのは、筋肉を増やすよりも筋肉を使うことが大事。
ピラティスでは、体幹を意識しながら正しいフォームで筋肉を使います。
これにより、「鍛える」だけでなく「使える筋肉」へと質が変わり、
姿勢が整い、血流がスムーズになっていくのです。

代謝を上げるダイエット=筋肉を使うダイエット。
これはトレーナーとして一番伝えたいことです。


呼吸とミトコンドリアが「燃える体」をつくる

ここから少し踏み込んで、
「代謝を生み出す場所」について考えてみましょう。

実は、私たちの細胞の中には“ミトコンドリア”という小さな発電所があります。
食べた糖や脂肪を燃やし、ATPというエネルギーを作り出す――
これがまさに「代謝」の中心です。

細胞内にエネルギーを生産するミトコンドリアがある
細胞内にエネルギーを生産するミトコンドリアがある

しかし、ミトコンドリアは放っておくと働きが鈍くなります。
酸素不足、栄養不足、ストレス、運動不足。
これらはすべて、ミトコンドリアの機能低下を招きます。

ピラティスで行う「胸式呼吸」は、このミトコンドリアを活性化させるための理想的な呼吸法です。
しっかりと肋骨を動かし、体のすみずみに酸素を届ける。
それが、細胞レベルで“燃える体”をつくる鍵なのです。

マットピラティスでティーザーに挑戦
マットピラティスでティーザーに挑戦

ミトコンドリアを元気にする栄養素

ミトコンドリアの代謝を高めるには、次の栄養素が欠かせません。

栄養素働き主な食品
ビタミンB群(特にB1・B2・B3・B5)糖質や脂質をエネルギーに変換する補酵素豚肉、納豆、玄米、卵
マグネシウムATPを安定化させ、エネルギー産生を助ける海藻、ナッツ、豆類
コエンザイムQ10ミトコンドリアで電子を運び、エネルギーを作るイワシ、サバ、牛肉
酸素を運び、燃焼反応を支える赤身肉、レバー、ひじき
L-カルニチン脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ羊肉、牛肉

これらの栄養素が不足すると、
どれだけ運動しても「燃えない体」になってしまいます。

逆に言えば、食べ方を整えるだけで、代謝は上がるということ。
「食べないダイエット」ではなく、「代謝を高める食事」が大切です。


食事で代謝を支える「栄養バランスの考え方」

ダイエット中に必要なのは、“カロリーを減らすこと”ではなく、
代謝に必要な栄養素をきちんと満たすことです。

・朝は糖質を控えすぎず、ビタミンB群を含む主食を取る
・タンパク質は毎食手のひらサイズを意識
・夜はマグネシウムや鉄を意識して、疲労回復を促す

このように、1日を通して代謝を支える栄養を循環させることで、
“食べても太らない体質”が少しずつつくられます。


生活習慣が代謝を左右する

運動と食事が整っていても、
睡眠不足やストレス過多が続けば、代謝は確実に落ちます。

ストレスホルモンであるコルチゾールが上昇すると、
筋肉の分解が進み、血糖値が不安定になり、
結果として脂肪をため込みやすい体質に変わります。

また、猫背や巻き肩などの姿勢不良は胸郭を圧迫し、
呼吸が浅くなり、酸素供給が減少。
ミトコンドリアの働きを妨げてしまいます。

ピラティスでは、呼吸と姿勢を整えることで、
この“見えない代謝低下”を根本から改善していきます。


まとめ:代謝を上げることが、健康的なダイエットの第一歩

「代謝を上げる」とは、
筋肉・呼吸・栄養・ホルモン・睡眠――
すべてを整え、体が自然に燃えるリズムを取り戻すことです。

運動していない時でもエネルギーを使い、
食べても太りにくく、体が軽く、心も安定している。
これこそが、本当の意味で“代謝が上がった状態”。

カメシチのトータルダイエットコースでは
ピラティスで体を整え、管理栄養士の知識で内側から代謝を高めるサポートをしています。

「食べても太らない体になりたい」
「疲れにくく、健康的に痩せたい」

そんな方は、ぜひ一度、体の“燃える仕組み”を整える体験をしてみてください。
あなたの代謝は、まだ眠っています。
そのスイッチを入れるのは、今日からでも遅くありません。

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