夜、あなたが寝付けないのはなぜ?栄養で整える快眠アプローチ

寝ている時にもカロリーは消費しますがこれが基礎代謝 BLOG
寝ている時にもカロリーは消費しますがこれが基礎代謝

こんにちは。
東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。

皆さんは夜、スッと寝付けていますか?そして、朝は気持ちよく目覚められていますか?

最近では「なかなか寝付けない」「眠りが浅い」「朝がつらい」という悩みを抱える方が増えている印象があります。中には、睡眠導入剤などを使用して対処されている方もいらっしゃいますが、それは根本的な解決にはなっていません


なぜ夜に眠くならない?睡眠が浅くなる原因とは

快適な睡眠が得られない背景には、「睡眠ホルモン」や「神経伝達物質」がうまく働いていないことが多くあります。
眠気が自然に訪れない、深い眠りに入れない――その原因を解決しなければ、薬に頼らずに眠れる日はなかなか訪れません。


良質な睡眠の基本条件とは?

まずは、一般的に「質の高い睡眠」とされる条件を挙げてみましょう。

  • 夜12時までには入眠している
  • 布団に入って30分以内に眠りに落ちる
  • 中途覚醒がなく、夢を見るとしても白黒で軽い内容
  • 最低6時間はまとまって眠れている

どうでしょうか?なかなかハードルが高いと感じる方も多いかもしれませんね。

では、良質な睡眠をとるために必要な体内の物質について解説していきましょう。


睡眠を支える2大物質:GABAとメラトニン

夜、自然と眠くなり、ぐっすり眠るためには、GABA(ギャバ)とメラトニンという2つの体内物質の働きが重要です。


GABAとは?リラックスを導く神経伝達物質

GABAは、脳内で神経の興奮を抑える働きを持つ抑制性神経伝達物質です。

【GABAの主な働き】

  1. 神経活動を落ち着かせる
    • 脳の過剰な興奮を抑え、リラックス状態へ導きます。
    • その結果、自然な眠気が訪れやすくなります。
  2. 睡眠の質を高める
    • 深いノンレム睡眠(特に「徐波睡眠」と呼ばれる脳がしっかり休んでいる状態)を促進。
    • 「途中で目覚めにくい」「朝スッキリ起きられる」など、実感としての質の高い睡眠に繋がります。

メラトニンとは?体内時計を整える睡眠ホルモン

メラトニンは、**脳の松果体(しょうかたい)**という場所から分泌されるホルモンで、主に夜間に分泌されます。
「体内時計を調整し、体を眠るモードへ切り替える」役割を持ち、**別名「睡眠ホルモン」**とも呼ばれています。

【メラトニンの主な働き】

  1. サーカディアンリズム(体内時計)の調整
    • 日中は分泌が抑えられ、夜になると自然と分泌が増加。
    • 光(特にスマートフォンなどのブルーライト)を浴びると分泌が止まり、眠気が妨げられる。
  2. 自然な入眠を促進
    • メラトニンの分泌ピークは通常、就寝の1〜2時間前
    • その時間帯に自然な眠気が訪れるように体温や血圧を下げ、体を「眠りの準備」に整えます。

GABAとメラトニンはアミノ酸から作られる

GABAもメラトニンも、どちらも体内でアミノ酸を材料に合成される物質です。

  • GABAは「グルタミン」から
  • メラトニンは「トリプトファン」から

この合成過程には、いくつかのビタミンやミネラルが関与しています。


合成に必要な栄養素とは?

合成物質材料アミノ酸必要な栄養素
GABAグルタミンナイアシン、ビタミンB6
メラトニントリプトファン鉄、葉酸、ナイアシン、ビタミンB6

特に、ビタミンB群(ナイアシン・B6・葉酸)や鉄分が重要です。これらが不足していると、材料となるアミノ酸が体内にあっても、GABAやメラトニンがうまく作られません。

これらの栄養素は主に、肉や魚などのたんぱく質食品に多く含まれています。
特に赤身の肉やマグロ・カツオなどに多く含まれる「鉄分」は重要です。


睡眠と栄養は直結している:たんぱく質不足と睡眠の質

睡眠の悩みを抱える方の中には、日頃から忙しく食事が炭水化物中心になっている方が少なくありません。

  • 忙しい=ストレスが多い
  • ストレス解消のために甘い物やアルコールに頼る
  • その結果、血糖値が乱高下し、夜間低血糖を起こす

夜間に血糖値が下がると、体は目を覚まそうとホルモンを分泌するため、眠りが浅くなり、悪夢を見ることもあります。

関連ブログ:お酒を飲むと嫌な夢を見るのはなぜ?夜間低血糖と悪夢のメカニズム


睡眠を整えるための栄養アプローチ:今日からできること

薬に頼らず、自然な眠りを取り戻すために、日々の栄養を見直してみましょう。

  • 肉・魚などのたんぱく質を三食にしっかりとり入れる(赤身がおすすめ)
  • 夜は甘いもの(果物も含む)を控える
  • アルコールはほどほどに。寝酒は睡眠の質を下げる

おわりに

誰もが「スッと寝て、スッキリ起きたい」と願っているはずです。
そのために必要なのは、睡眠導入剤ではなく体の内側から整えるアプローチ

睡眠の質を高めるために、今夜から「たんぱく質」を意識した食事を始めてみませんか?

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