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倦怠感、ダルさを改善するビタミン最新情報

東京都文京区千石・本駒込パーソナルトレーニングスタジオKame7 管理栄養士&トレーナーの吉田尚弘です。

増加傾向にあるうつ病、日ごろから感じる倦怠感。原因は環境のストレスなど色々ありますが、毎日を元気に過ごせる方は意外と少ないのではないでしょうか。これらの症状がもし、栄養によって改善するかもしれないとしたら、良いことはないですよね。

今回は数ある栄養の中で、うつ病などの疾患に関係するビタミンCについてちょっと医学的なお話をしたいと思います。

参考記事 果物はビタミンCの宝庫か?徹底検証!

分子栄養学におけるビタミンC

分子栄養学という学問をご存知でしょうか?あまり聴きなれない言葉ですが、一般的にビタミンの必要量は「これだけ摂れば病気にならないよ」という必要量を国が定め、それを目安に食事からビタミン等を摂取しています。それに対して分子栄養学は「最適量を補うことによって医学的効果をもたらす」ことを目的としています。これは単なる欠乏症を超えた領域を扱う学問になります。つまり、今回取り上げるビタミンCは欠乏することによって起きる症状や病気(壊血病など)がありますが、分子栄養学はそれを予防するための量ではなく、それ以上の量を摂取することで、うつ病やだるさなどを改善する医学的な効果を期待しています。ではなぜ、うつっぽい症状やだるさにビタミンCを大量に処方すると改善するのか?そこを見てみましょう。

ビタミンCが必要な臓器

ビタミンは基本的に体内で必要なところに多く存在していて、以前に書きましたビタミンB1,2は代謝に関わるので筋肉に多く存在します。ビタミンCの場合、もっとも必要とされて多く存在する場所は「副腎」です。あまり聞いたことがない臓器だと思いますが、腎臓の上にちょこんとある小さい臓器で、血液中のビタミンC濃度が1だとしたら副腎には150倍存在しています。

副腎は、とても小さい臓器ですがアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールといったホルモンを分泌して体調を一定に保つ働きをしています。これらのホルモンの分泌量が狂うと病気になったりするのですが、有名なところではコルチゾールが多く分泌されるクッシング症候群、逆に少なくなるとアジソン病などがあります。そして最近耳にするのが副腎疲労症候群という症状です。

副腎疲労症候群

私達は日ごろ副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されて日常的にふりかかるストレスに対して心や体が平常が保てるようにコントロールされています。しかし、不規則な食生活やストレスが過度にかかってしまいホルモンがたくさん分泌された結果、副腎は疲労しホルモンの分泌が低下して疲れが取れない、だるい、ボーとして頭が働かない、うつっぽくなる、女性の場合PMS(PMSとは生理前の心や体の不調)がひどくなるなどの症状が現れます。これが副腎疲労症候群です。

分かりやすく図で説明しますと、

上の図のように通常であればストレスを受けた場合、脳でそれを感知して副腎からホルモンが分泌されてストレスをコントロールします。

副腎疲労症候群は、過度なストレスがかかり脳からの指令でホルモンを分泌し続けた結果、副腎が疲労している状態です。
副腎疲労はビタミンCが大量に消費されている状態なので、これを治療する方法のひとつとして分子栄養学ではビタミンCを大量に処方します。

副腎疲労を改善するためのビタミンC

では、実際にどのくらいのビタミンCを必要とするのでしょうか?一般的に国が定めるビタミンCの食事摂取基準は成人で100㎎/日です。しかし、副腎疲労症候群を改善するための基本的な処方量は3000㎎/日からとなり、とてつもない量です!実際には他のビタミンも混合してサプリメントが処方されます。

賛否両論ありますが、このように現在では栄養で体の不調を治すという方法のひとつとして、分子栄養学を取り入れている病院があります。最近、体の調子が悪い、生理前は精神不安定になるなどの症状で悩んでいる方は、保険適用外ですが試しに一度診察してもらうのも手だと思います。ただ、基本は食生活が大事ですので普段から不足しがちなビタミンC、B群、カルシウム、鉄は食品からしっかり摂って、健康に過ごしたいものですね。

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