砂糖は悪者?ブドウ糖と果糖の代謝からわかる、砂糖とダイエットの本当の関係

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ブドウ糖と果糖、それぞれの代謝から考える「糖質との付き合い方」

東京都文京区本郷三丁目Personal training stuidoカメシチ、管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。

「砂糖は太るから、できるだけ食べないほうがいい」
ダイエットをしている方なら、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

確かに、砂糖を摂りすぎれば、エネルギーの過剰摂取につながり、体重増加や虫歯などのリスクを高めることが分かっています。

WHO(世界保健機関)も、砂糖などの「遊離糖類(free sugars)」について、1日の総エネルギー摂取量の10%未満、さらに可能であれば5%未満に抑えることを推奨しています。2000kcalを基準にすると、10%は約50g、5%なら約25gです。

角砂糖が皿に盛ってある
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しかしながら、ダイエットの敵と分かっていながら摂ってしまう…砂糖は私達を魅了する魔力を持っています。これを、まったく摂らないというのは、なかなか難しい。。

問題は「砂糖を摂ること」そのものではなく、どんな糖を、どんな食品から、どれくらい摂るのかということ。
今回は、意外と知られていない「砂糖の正体」から、ブドウ糖と果糖の代謝、異性化糖、人工甘味料まで、少し掘り下げて考えてみましょう。


そもそも「砂糖」とは何なのか?

まず、砂糖についてちょっと深堀りしてみましょう。一般的に私たちが「砂糖」と呼んでいるものは、化学的にはショ糖(スクロース)という二糖類です。

二糖類とはその名の通り、2つの糖が結合したものです。ショ糖の場合はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖です。

実は砂糖を食べると、そのまま「砂糖」という物質が体の中を流れていくわけではありません。
消化管で分解されて、ブドウ糖と果糖として別々に吸収されます。
同じ「糖」でも、ブドウ糖と果糖では、その後の体内での扱われ方がかなり違うわけです。

では、それぞれは体の中でどのように使われるのでしょうか?


ブドウ糖は「体を動かすための燃料」

ブドウ糖、つまりグルコースは、私たちの体にとって非常に重要なエネルギー源です。特に脳や赤血球など、ブドウ糖への依存度が高い組織があります。

食事から摂ったブドウ糖は小腸から吸収され、血液中に入り血糖値が上昇します。ここで登場するのがインスリンです。血糖値が上がると、膵臓からインスリンが分泌され、筋肉や脂肪組織などへのブドウ糖の取り込みを促します。

取り込まれたブドウ糖は、エネルギーとして使われます。また、すぐに使わない分は、グリコーゲンという貯蔵型に形を変えて肝臓や筋肉に蓄えられます。そして、それでも余ってしまえば、条件によっては脂肪の合成にも回されます。

ここで重要なのは、「ブドウ糖=太る物質」ではないということです。
「え、何言ってんの?糖ってダイエットの敵じゃん」そうおっしゃるの無理はありません。実はブドウ糖は、私たちが動くために必要なエネルギー源なのです。歩く、階段を上る、トレーニングをする、脳を働かせる、こうした生命活動にはエネルギーが必要なのです。

むしろ問題なのは、身体が必要としている量を大きく超えて摂り続けることです。


では「果糖」はどうなるのか?

砂糖を構成しているもう一つの糖が、果糖です。果糖はフルクトースとも言います。果物や蜂蜜などにも含まれている糖です。「果糖」という名前から、「果物に入っている糖だから、体に良い糖なんですよね?」と思う方もいるかもしれません。

実はそうな事ないのです。この果糖、ちょっと気を付けないといけません。

果糖はブドウ糖とは異なり、主に肝臓で代謝されます。小腸から吸収された果糖のかなりの部分が肝臓へ運ばれ、そこで代謝されます。そして、ここに果糖の大きな特徴があります。

ブドウ糖の代謝には、エネルギー状態に応じて流れを調整する複数の仕組みがあります。

一方、果糖は肝臓に取り込まれると、比較的速やかに代謝経路へ入ります。その結果、過剰な果糖摂取が続くと、条件によっては肝臓での脂肪合成を促し、中性脂肪の増加などにつながる可能性があります。だからといって、「果糖を食べたら脂肪になる」という単純な話ではありません。

体はそんなに単純ではありません。摂取量、総エネルギー、身体活動量、食事全体の構成、インスリン感受性など、さまざまな要因が関係していますが、ただし、果糖を多く含む甘い飲料などを日常的に大量に摂取することは、肥満になる可能性が高まります。

糖質の代謝

砂糖と「異性化糖」は何が違う?

ここで、清涼飲料水や加工食品の原材料表示でよく見る言葉が出てきます。それが、「果糖ぶどう糖液糖」あるいは、「ぶどう糖果糖液糖」です。コンビニで売られている商品に多いですね。

これは「砂糖」と同じものではありません。異性化糖と呼ばれる甘味料で、トウモロコシなどのデンプンを原料に、酵素などを利用してブドウ糖や果糖を含む液状の糖にしたものです。

名前が非常に似ているので混乱しやすいのですが、砂糖=ショ糖であるのに対し、果糖ぶどう糖液糖・ぶどう糖果糖液糖=ブドウ糖と果糖を主成分とする糖液という違いがあります。例えば「果糖ぶどう糖液糖」は、一般的に果糖の割合がブドウ糖より高いものを指します。そして、これらは清涼飲料水、菓子、調味料など、さまざまな加工食品に使われています。

では、「砂糖より異性化糖のほうが悪いのか?」これもなかなか比較しにく問題です。砂糖も異性化糖も、最終的にはブドウ糖や果糖として体内に入ります。

重要なのは、どれくらいの量を、どれくらいの頻度で摂取するのかです。特に注意したいのが「液体」です。ジュースや清涼飲料水は、固形食品に比べて短時間に大量の糖を摂取しやすく、食べている感覚がないのに、糖質はしっかり入ってくるので、あまりカロリーを摂取した感覚はないのです。

これが甘い飲料の怖さの一つです。


「人工甘味料なら安心」は本当なのか?

砂糖を減らそうとすると、次に気になるのが人工甘味料です。アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリンなど、さまざまな甘味料があります。これらは砂糖とは異なり、非常に少ない量で強い甘味を感じさせるものがあります。

そのため、砂糖の代わりに使用することで、食品や飲料のエネルギー量を抑えられる場合があります。では、「砂糖を人工甘味料に置き換えれば、ダイエットは成功するのか?」というと、ここも簡単ではありません。

WHOは2023年のガイドラインで、非糖甘味料を長期的な体重管理のために使用することは推奨しないとしています。これは個々の甘味料の安全性を否定するものではなく、長期的な体重管理への有効性について十分なメリットが確認できないことなどを踏まえた勧告です。

一方で、個々の甘味料には安全性評価や許容一日摂取量(ADI)が設定されています。つまり、「人工甘味料=危険」と決めつけるのも正しくありません。では、どう考えればいいのでしょう?

個人的には。「甘いものを減らすための補助として使うのはあり。でも、甘い味そのものに依存した食生活を続けるための道具にはしない」という考え方が現実的だと思います。

ダイエットで本当に大切なのは、「砂糖を人工甘味料に置き換えたからOK」ではなく、甘い飲料や加工食品そのものを少しずつ減らし、素材そのものの味を楽しめる食生活に近づけていくことだと思います。


「砂糖=毒」と考える必要はない

ここまで読んで、「結局、砂糖は悪いんじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。確かに、砂糖の摂りすぎは問題になります。しかし、ここで大切なのは、「砂糖が毒なのではなく、摂取量と食生活全体の問題」という視点。

例えば、料理に少量の砂糖を使う、コーヒーに少し砂糖を入れる、たまにケーキを食べる。こうした行為まで「絶対にダメ」とする必要はありません。

むしろ、「砂糖は一切食べない!」と極端に制限した結果、ストレスがたまり、ある日突然大量に甘いものを食べてしまう。これでは、本末転倒です。

WHOが問題としているのは、食品に添加された糖や蜂蜜、シロップ、果汁などに含まれる「遊離糖類」の摂りすぎです。

特に、

・砂糖入りの清涼飲料水
・加糖コーヒー飲料
・ジュース
・菓子類
・アイスクリーム
・菓子パン
・甘い調味料

などを毎日のように摂っているのであれば、まずそこを見直す価値があります。


果物の糖と砂糖を同じように考えてはいけない

ここも、ダイエットでは重要なところ。「果物にも果糖が入っているから、果物も食べないほうがいいのでは?」

という考え方があります。しかし、これもなかなか難しい問題。なぜなら果物は、糖だけを単独で摂取する食品ではないからです。食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど、さまざまな成分を含んでいます。

WHOも健康的な食生活の中で、果物や野菜を摂取することを推奨しています。ですが、日本の果物は諸外国と比べて、かなり甘味が強い。つまり果糖の含まれる量が多いのです。果物自体は良いのですが、糖が多い分、食べる量や食べるタイミングを考えた方がいいですね。


ダイエットで本当に見るべきなのは「糖質」だけではない

なんだかんだと「ダイエット=糖質制限」というイメージが強くなっています。しかし、体脂肪が増えるかどうかを考えるなら、糖質だけを見ていてはいけません。

基本的には、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが重要です。糖質も脂質もタンパク質も、すべてエネルギー源になります。そして、身体活動量が少ない状態でエネルギーを摂り続ければ、余ったエネルギーは体内に蓄積されていきます。

だから私は、ダイエットを希望される方に、「糖質を食べないでください」とは言いません。むしろ、「何を食べているのか?」「どれくらい食べているのか?」「なぜ、それを食べているのか?」「普段どれくらい身体を動かしているのか?」ここが重要。

そして、甘いものが多いのであれば、いきなりゼロにするのではなく、まず飲み物から変える。これだけでも大きな一歩です。毎日飲んでいる甘い飲料を無糖のお茶や水に変える。砂糖入りのコーヒーを無糖にする。お菓子を毎日から週数回に減らす。こうした小さな変化の積み重ねが、結果として大きな違いになります。


「糖質を恐れる」のではなく、「糖質を知る」

糖質という言葉を聞くと、「太る」「血糖値が上がる」「糖尿病になる」そんなイメージを持っている人も多いと思います。しかし、糖質は私たちの身体にとって必要な栄養素でもあります。

問題は、糖質そのものではありません。摂り方です。

砂糖はブドウ糖と果糖からできています。ブドウ糖は全身のエネルギー源として重要です。果糖は主に肝臓で代謝されます。そして、砂糖だけではなく、異性化糖などからもブドウ糖や果糖を摂取することになります。

人工甘味料についても、「危険だから絶対にダメ」と決めつけるのではなく、長期的な体重管理にどの程度役立つのかという視点で考える必要があります。WHOも、非糖甘味料の長期的な体重管理への使用を推奨していません。

そして何より大切なのは、食品を一つだけ切り取って「良い・悪い」と判断しないこと。


健康になるために、必要なのは「我慢」ではなく「知識」

ダイエットをしていると、「これは食べちゃダメ」「これは太る」「これは糖質だからダメ」と、禁止事項ばかりが増えていきます。でも、それでは食事が楽しくないですよね~

食事は、毎日の事。一時的に我慢することなら誰でもできますが、何年も何十年も続ける食生活を考えたとき、極端な制限だけでは無理があります。

だからこそ必要なのが、「知ること」砂糖とは何なのか?ブドウ糖はどう使われるのか?果糖はどこで代謝されるのか?異性化糖とは何なのか?人工甘味料とは何?そして、自分は何をどれくらい食べているのか。知識があれば、必要以上に怖がる必要もありません。

逆に、知らなければ、「糖質は全部悪い」「果物は太る」「人工甘味料ならいくら摂ってもいい」といった極端な考え方に振り回されてしまいます。


まとめ

砂糖は、ブドウ糖と果糖からできた二糖類です。体内ではブドウ糖と果糖に分かれて、それぞれ異なる経路を中心に代謝されます。ブドウ糖は、全身の重要なエネルギー源となります。

一方、果糖は主に肝臓で代謝され、過剰摂取が続けば脂肪代謝などに影響を与える可能性があります。また、果糖ぶどう糖液糖やぶどう糖果糖液糖などの異性化糖も、私たちの身近な加工食品や飲料に使われています。

そして人工甘味料についても、「砂糖より安全」「人工だから危険」と単純に決めつけるのではなく、その目的と摂取量、食生活全体から考える必要があります。

WHOは、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満、可能であれば5%未満に抑えることを推奨しています。大切なのは、「砂糖を完全に排除すること」ではなく

「自分は、どこから、どれくらいの糖を摂っているのか?」それを知ること。

そして、もし甘い飲料やお菓子を毎日のように摂っているのであれば、まず一つだけ減らしてみる。そのくらいから始めてみてもいいのです。ダイエットとは、食べることを我慢し続けることではありません。自分の身体がどう働いているのかを知り、自分で食べるものを選べるようになること。

私は、それこそが本当の意味での「食事によるダイエット」だと思います。そして、身体を動かすことも同じで、食べることと、動くこと。この二つを切り離して考えるのではなく、身体全体を一つのシステムとして考えていくこと。それが重要。

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