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分子栄養学とダイエット2

東京都文京区千石・巣鴨パーソナルトレーニングスタジオkame7、管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。

今回は分子栄養学とダイエット第二弾という事で、前回、お伝えしたように分子栄養学とは、病気とは呼べないような体調の悪さ、不定愁訴を改善して本来その人が持っている最高の状態を栄養という側面からアプローチする学問ですが、今回は分子栄養学の視点から見たビタミンとミネラルの重要性についてお伝えできればと思います。
前回はこちらから

ビタミン・ミネラルの必要量

一般的に知られるビタミン・ミネラルの必要量は厚生労働省から発表されていますが、これは示された摂取量を摂れば欠乏症にならないという指標になります。しかし分子栄養学では体調もよく、より健康になるための量を示しています。そこが大きな違いになります。
いくつか例を挙げてみましょう。以下の表をご覧ください。

名称 単位 標準摂取量 栄養学的摂取量 比率
mg 10 48 4.8
マグネシウム mg 300 2000 6.7
亜鉛 mg 11 90 8.2
ビタミンB6 mg 1.6 150 93
ビタミンB2 mg 1.2 150 125
ビタミンB1 mg 1.1 150 136
ナイアシン mg 16 3000 187
ビタミンB12 2.4 1000 417
ビタミンC mg 100 100000 1000

比べてみると標準摂取量と分子栄養学的必要量はかなり差がありますね。ただ、注意していただきたいのは全員が分子栄養学的必要量を摂取すべきだという事ではありません。これには個人差があり、これはあくまでも参考の数値です。
それでは、実際にビタミン・ミネラルが私達の体内でどう関係するのか見てみましょう。

副腎とビタミンC

副腎とは腎臓の上にちょこんとある小さい臓器になります。

副腎からはコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されますが、特にコルチゾールはストレスから守ってくれ血糖値や血圧などの調整をしれくれる非常に重要なホルモンです。
この副腎には大量のビタミCが存在し、血液中のビタミンC濃度を1とすると副腎は150倍多く存在しています。これはストレス時にコルチゾールがしっかり分泌するために大量のビタミンCが必要だという事を意味します。

ビタミンCが不足すると壊血病になり、その予防のために標準摂取量が決められてますが、分子栄養学的には副腎がしっかり働き、代謝の働きを助けて、より健全でQOLを上げるためにはかなりの量のビタミンCが必要と考えているわけです。因みに、コルチゾールがうまく分泌できなくなるとストレスで甘いものを欲したりしますので、ダイエットにも非常に関係しています。

ミトコンドリア

細胞の中にはミトコンドリアが存在しています。ミトコンドリア内でATPというエネルギーを作り出し、そのお蔭で私達は動くことができるのですが、この仕組みがスムースに行われるには主に、鉄、マグネシウム、ビタミンB群が必要となってきます。

鉄とマグネシウムはミネラルですね。鉄不足といえば貧血、マグネシウムといえば骨代謝などを思い出す方もいらっしゃるかと思いますが、実はミトコンドリア内のエネルギー代謝に不可欠な栄養素になります。
そしてビタミンB群。「群」と書きましたがビタミンBには上の表に一部示してありますが8種類あり、ビタミンB1、B2、B6、B12,ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがあります。これらはお互いに関係しあってビタミンB群として働いてくれるわけです。

ダイエットしようと糖質を減らし、たんぱく質をしっかり摂ったとしても細胞内で代謝するために、これらの栄養素を摂取しないと効率よく痩せられないという事になります。

食事から栄養を摂る。

今回ご紹介した栄養素、ビタミンC、鉄、マグネシウム、ビタミン群。これらをサプリメントではなく食事から摂取するためには、何を食べたらよいのでしょうか。

ビタミンB群-ビタミンB群は、肉や魚、レバー、大豆食品、魚介類、玄米などの穀類と、ありとあらゆる食材に含まれています。ですが、近年はこれらの食材の摂取量が減っていると言われています。白米やパン、麺類などの炭水化物が中心に食事を済ますパターンが多く、意外とビタミンB群が摂れていない傾向がみられます。

鉄、マグネシウム―鉄を食品から摂る場合、植物性食品(ほうれん草、ひじきなど)か動物性食品(レバー、赤身の肉)がありますが、動物性の食品で摂る方が吸収率は上がります。さらにビタミンCは鉄の吸収率を上げますので一緒に摂る方がいいですね。
マグネシウムは海藻類に多く含まれますので、あおさなどはお味噌汁に入れるだけで摂れますので、簡単でお勧めです。

ビタミンC-果物に多く含まれるようなイメージがありますが、実は野菜にも多く含まれます。果糖の摂取を考えると野菜からしっかりとビタミンCを摂った方が賢明かと思います。多く含まれる野菜としてはパプリカ、ブロッコリー、青菜類になります。鉄を多く含むレバーや赤身肉の付け合わせとして、一緒に食べると鉄の吸収率も上がりますね。

 

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