悪夢が止まらない…禁酒以外でできる睡眠の質改善法

悪夢を見てしまうのは生活習慣が原因 分子栄養学
悪夢を見てしまうのは生活習慣が原因

1. どうしてこんなに悪夢ばかり見るのか…眠るのが怖くなっていませんか?

東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。

毎晩のように悪夢でうなされて、夜中に目が覚めてしまう。朝起きても疲れが取れず、日中はなんとなくぼーっとして集中できない。――そんな日々が続くと、「また今夜も眠るのが怖い」とさえ思ってしまいますよね。

「ストレスかな」「お酒が悪いのかな」と、何となく分かってはいても、仕事も家事も人間関係も待ってはくれません。悪夢の根本的な原因を知りたい、できれば薬に頼らずに改善したい。そんな方のために、今回は“禁酒以外”でできる、体と心を整える方法をお伝えします。
参考記事 お酒を飲むと嫌な夢を見るのはなぜ?夜間低血糖と悪夢のメカニズム

2. 寝ている間に血糖値が急降下!?知らずに起きている「夜間低血糖」の罠

もしあなたが「寝つきは悪くないのに、夜中に突然目が覚めてしまう」「夢の中で不安や恐怖が繰り返される」と感じているなら、それは“血糖値の乱高下”が原因かもしれません。

私たちの脳は、眠っている間もエネルギー(=ブドウ糖)を必要としています。ところが夕食を軽く済ませたり、糖質制限をしていたりすると、夜中に血糖値が下がりすぎて、脳が「非常事態だ!」と誤認して交感神経を活性化。心拍数が上がり、不安や恐怖のイメージを伴う悪夢を引き起こしてしまうのです。

ほんの少しの食習慣の工夫で、劇的に眠りが変わることもあります。

  • 夕食はたんぱく質・脂質・炭水化物をバランスよく
  • 小さな“おにぎり”や“甘酒”などを寝る1時間前にとってみる
  • カフェインや甘いお菓子は夕方以降避ける

「そんなことで変わるの?」と思われるかもしれません。でも、低血糖に悩む方がこの小さな工夫で悪夢が減った例は、実際にたくさんあるんです。

3. 慢性的な疲労とイライラ…副腎が限界を迎えていませんか?

最近ずっと疲れが取れない。朝起きても頭が重くて、やる気が出ない。夜になるとなぜか目が冴えてしまう……。それ、副腎(ふくじん)が悲鳴を上げているサインかもしれません。

副腎はストレスに対処するホルモン「コルチゾール」を出す大事な臓器。でも、ストレスが溜まり続けると、副腎はオーバーワーク状態に。結果、コルチゾールの分泌リズムが乱れて、眠っている間に交感神経が優位になってしまいます。

悪夢・寝汗・不安感・動悸――これらは全部、副腎疲労の症状として現れることがあります。

心を整えるためには、まず“体”を労わること。

  • ビタミンC(パプリカ・ブロッコリー)
  • パントテン酸(卵黄・納豆)
  • マグネシウム(アーモンド・ひじき)

これらの栄養素を少しずつ意識して取り入れるだけでも、副腎は少しずつ回復に向かっていきます。

4. 腸の声、聞いていますか?腸内環境が悪夢に影響しているなんて…

「怖い夢をよく見るなんて、性格のせい?」いいえ、違います。もしかすると、それは“腸”からのSOSかもしれません。

腸は「第2の脳」とも呼ばれるほど、メンタルや睡眠に直結する臓器です。腸内細菌のバランスが崩れると、セロトニン(幸せホルモン)やGABA(リラックスホルモン)の合成がうまくいかず、不安や悪夢の原因に…。

さらに、腸内で異常発酵が起こると、アセトアルデヒドという“脳を興奮させる毒”が生まれることもあります。これは、まさに悪夢の根っことも言える問題。

今日からできる腸ケア、始めてみませんか?

  • 納豆・味噌・キムチなどの発酵食品を毎日ひとつ
  • 食物繊維(オートミール・ごぼう・海藻)で善玉菌を育てる
  • 冷たい飲み物を控え、腸を冷やさない

“腸が整えば、心が整う”――これは、あながち誇張ではありません。

5. 鉄不足、マグネシウム不足…足りない栄養が「眠れない脳」をつくる

「眠るだけなのに、なんでこんなに難しいの?」と思っていませんか?その原因、実は“栄養の不足”かもしれません。

悪夢や中途覚醒、不安感の背後には、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、GABAなど)のアンバランスが関わっています。そしてそれらを合成するには、ビタミン・ミネラルがどうしても必要なのです。

  • 鉄:セロトニンの前駆体「トリプトファン」の代謝に必須
  • ビタミンB6:ドーパミンやGABAの合成を助ける
  • マグネシウム:脳の興奮を抑えて、リラックスを促す
  • 亜鉛:ストレス耐性を高め、精神的安定を助ける

「ちゃんと食べてるつもり」でも、現代の食事では必要量に届いていないことが多いのが現実です。心が不安定なときこそ、体に目を向けてみてください。

6. スマホ、カフェイン、夜更かし…その習慣、悪夢の引き金かも?

「寝る直前までスマホを見てしまう」「なんとなく夜更かししてしまう」――そんな習慣に心当たりはありませんか?

眠るためのスイッチは“自律神経の切り替え”です。でも、夜遅くまでの刺激(ブルーライト、情報過多、カフェインなど)は、交感神経を興奮させ、入眠の質を下げてしまいます。すると浅い眠りが続き、悪夢を見る時間が長くなってしまうのです。

心と体が「安心して眠れる」準備をしてあげましょう。

  • 夜は間接照明にして光をやわらかく
  • スマホは寝室に持ち込まない
  • 寝る前に深呼吸やストレッチ、読書の習慣を

眠る前の“やさしい時間”が、悪夢のない深い眠りへとつながっていきます。

7. 悪夢は「体の不調の声」。無視しないであげてください

悪夢は、ただの“こわい夢”じゃないかもしれません。あなたの体が発している、静かなSOSなのです。

ストレスで疲れた副腎、乱れた血糖、悲鳴を上げている腸内環境、栄養が足りない脳――それらが、「夢」という形で、あなたに何かを伝えようとしているのかもしれません。

薬やサプリだけに頼るのではなく、まずは生活をひとつずつ整えていく。それが本当の意味での“悪夢からの卒業”に近づく道です。

8. 「眠るのが楽しみ」になる未来へ

毎晩眠るのが怖かったあなたが、「今日もぐっすり眠れそう」と感じられるようになる。その未来は、決して遠くありません。

必要なのは、「無理のないことを、少しずつ」始めること。完璧じゃなくていいのです。体の声に耳を澄ませ、心をいたわってあげること。そうすれば、いつのまにか悪夢は静かに遠ざかっていきます。

あなたが、安心して眠れる夜を迎えられますように――。

参考サイト オーソモレキュラー栄養療法研究所

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