東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、管理栄養士&ピラティストレーナーの吉田尚弘です。
僧帽筋という筋肉をご存じですか?肩から背中にかけてある大きな筋肉です。
肩こりでとっても有名な筋肉ですが、、、
「気が付くといつも肩が挙がっている」
「背中が丸く、肩甲骨が挙がって肩ガチガチ・・・」
そんな悩み、あなたにもありませんか?
実は僧帽筋の下には肩甲骨があり、肩甲骨の動きには僧帽筋がかなり関与しています。
この記事では、僧帽筋の上部・中部・下部それぞれの働きとバランス、そして、肩甲骨の動き、そしてピラティスでの改善アプローチについて詳しく解説します。
僧帽筋とは?—肩甲骨と首をつなぐ広くて重要な筋肉
僧帽筋(そうぼうきん)は、首の付け根から肩、そして背中の中央あたりまで広がっている大きな筋肉です。
この筋肉は3つの部分に分けられ、それぞれ異なる役割を持っています。

- 上部僧帽筋:肩をすくめたり、首を後ろに反らせる
- 中部僧帽筋:肩甲骨を背骨側(内側)に引き寄せる
- 下部僧帽筋:肩甲骨を下に引き下げる(下制)・回旋の安定化
この3つの部位が絶妙なバランスで働くことで、肩甲骨がスムーズに動き、首や肩に余計な負担がかからないようになっています。
僧帽筋のアンバランスが“肩こり”を引き起こす理由
現代人に多いのは、「上部僧帽筋ばかりが過剰に働いている」状態です。
パソコン作業やスマホの長時間使用で肩が常にすくまれたような姿勢になると、上部僧帽筋が常に緊張状態に。
これが慢性的な肩こりの原因になっているのです。
本来、肩甲骨は上下・内外・回旋と自由に動くべきもの。しかし、上部僧帽筋ばかりが働いていると、肩甲骨は“持ち上がったまま下がらない”状態に。
つまり、下部僧帽筋がサボっている状態です。
このアンバランスが続くと…
- 首の筋肉が緊張して頭痛の原因に
- 肩甲骨の可動域が狭まり、猫背が進行
- 腕がスムーズに上がらない(肩インピンジメント)
といったさまざまな不調を招いてしまいます。
拮抗する力があるからこそ、肩甲骨は正しく動ける
肩甲骨の動きには、僧帽筋の各部位の拮抗関係が欠かせません。
たとえば、腕を上にあげるとき(挙上)には…
- 上部僧帽筋と下部僧帽筋が引っ張り合いながら肩甲骨を上方回旋させます。
- このとき中部僧帽筋は、肩甲骨が外に広がりすぎないよう内側に引き戻し、安定させます。
- この時に前鋸筋も関与してきます。
肩回りの安定に寄与する前鋸筋、肩こり・猫背が治らない…前鋸筋の働きを知れば、姿勢はここまで変わる!

もし上部ばかりが強く、下部や中部が弱ければ…
肩甲骨は正しく回旋できず、腕を上げるたびに首や肩に負担がかかってしまいます。
つまり、肩甲骨を自由に動かすには、僧帽筋の3部位の“拮抗的な協調”が不可欠なのです。
「肩甲骨の下制」を心がけてみましょう。
現代人はスマートフォン、パソコンを日常的に使っていますので、知らず知らずのうちに猫背になり肩甲骨が挙上してしまい、下制がとっても苦手な方が多いです。
そういった意味でも“下制”がとても大切です。
下制とは、肩甲骨を背中の下方向に引き下げる動き。
これは主に下部僧帽筋と広背筋が担当しています。
この下制がうまくできない人は、腕を動かすたびに肩が上がってしまい、首・肩が常に緊張。
そのまま筋トレをしても、余計に上部僧帽筋を固めてしまい、逆効果になることもあります。
タオルを使って肩甲骨を正しく動かすエクササイズ
今回はハンドタオルを使って、僧帽筋の下部を使い肩甲骨を下げるエクササイズをやってみましょう。
1. ショルダーブレード・スライド(肩甲骨の上下スライド)
①立位でタオルを後ろに、親指を外側になるようにに持つ。。
②軽く外に引っ張り、息を吸いながら肩をすくめ、吐きながら肩を下げる。
ポイントはタオルを下げた時、肩甲骨の下のあたりを使っている感覚と同時に肩が伸びている感覚があるとかなり良いです。上部と下部僧帽筋のバランスを再教育します。
2. プルダウン(肩甲骨の回旋)
①タオルを持って、万歳する。
②息を吐きながら、背中が丸くならないようにタオルを首から肩甲骨を寄せるように下げる。
これを繰り返す。
このエクササイズで肩の痛みを感じた場合は、中止してください。
肩甲骨が動くと、心も体も軽くなる
実際、肩甲骨がしっかりと動くことで、
- 「肩のこりが消えた」
- 「呼吸がしやすくなった」
- 「首がすっきりして顔色まで良くなった」
といった変化を実感されています。
それは、肩甲骨が本来の動きを取り戻したことで、余計な緊張が抜け、血流と神経の流れが正常化した証拠です。
まとめ:肩こりは僧帽筋のバランスで変わる
✔ 肩こりの多くは「肩甲骨の動かなさ」が原因
✔ 僧帽筋(上部・中部・下部)の拮抗的なバランスが肩甲骨の自由な動きを支える
✔ 特に「下部僧帽筋」を目覚めさせることがポイント
✔ ピラティスでは肩甲骨の下制・安定・回旋を正しく再学習できる
「姿勢をよくしたい」「肩こりから解放されたい」
そう願うなら、肩甲骨の“動き”に目を向けることが第一歩です。
文京区本郷三丁目の「Personal training studioカメシチ」では、肩こりに悩む方に向けたピラティスセッションを提供しています。ピラティスコースの詳細はこちら
ぜひ一緒に、軽やかな肩と背中を取り戻していきましょう。