東京都文京区本郷三丁目の Personal training studioカメシチ管理栄養士&ピラティストレーナーの 吉田尚弘 です。
若いころは気にも留めなかった「つまずき」。
しかし年齢を重ねると、ちょっとした段差でバランスを崩したり、
何もないところで転びそうになることが増えてきます。
最悪の場合、転倒によって大腿骨や股関節を骨折し、寝たきりになるケースも。
その大きな原因のひとつが「腸腰筋(ちょうようきん)」の弱化です。
腸腰筋とは?
腸腰筋とは、「大腰筋」と「腸骨筋」の総称で、体の深部に位置するインナーマッスルです。

- 大腰筋:胸椎〜腰椎から内臓の後ろを通り、大腿骨の内側(小転子)に付着。
- 腸骨筋:骨盤(腸骨)の内側から大腿骨の内側に付着。
つまり、腸腰筋は「腰椎から大腿骨の内側」をつなぐ重要な筋肉群で、
上半身と下半身をつなぐ橋渡しのような存在です。
腸腰筋の主な働き
腸腰筋は、私たちの歩く・立つ・姿勢を保つといった基本動作を支えています。
主な働きは次の3つです。
- 股関節を曲げて足を上げる
- 姿勢を安定させる
- 歩行中の股関節の安定を保つ
この筋肉がスムーズに働くことで、私たちは自然に足を前に出し、転ばずに歩けます。
腸腰筋が弱くなるとどうなる?
腸腰筋の機能が低下すると、次のようなトラブルが起こります。
- 骨盤が後傾し、猫背姿勢になる
- 歩くときに足が上がらず、つまずきやすくなる
- お尻の筋肉が使えず、太もも前が張りやすくなる
- スクワットで腰が丸まりやすい
このように、腸腰筋が弱くなると「転倒リスク」だけでなく、「姿勢の老け見え」にもつながります。
腸腰筋が硬い場合も注意
一方で、腸腰筋が硬くなりすぎても問題です。
- 骨盤が前傾し、反り腰になる
- 腰の張り・腰痛が起こりやすい
- 骨盤の歪みから姿勢の不安定を招く
つまり、腸腰筋は「弱くても硬くても機能しない」筋肉。
適度に柔軟で、かつ正しく使える状態を目指すことが大切です。
腸腰筋を鍛えて機能させる方法
腸腰筋は体の奥にあるため、「鍛えている感覚」を得にくい筋肉です。
ここでは、ピラティスのメソッドを取り入れながら、効果的に腸腰筋を働かせるエクササイズを2つご紹介します。
① 片足上げ体操
体力に自信のない方は、ここから始めてみましょう。体幹を安定させて、足を交互に上げて腸腰筋を鍛えます。
やり方:
1.背筋を伸ばし、お腹に力を入れて立つ。

2.息を吐きながら、姿勢が崩れないように片足を太ももが床と水平になる程度まで上げます。

3.吸いながら足を戻し、反対の足を持ち上げます。この動作を1セット20回行います。
ポイント:
- 背中が丸まらず姿勢が崩れないように、お腹に力を入れながら足を上げることで腸腰筋が使われ ます。
- 片足上げに自信のない方は壁に手をつけ、支えながら行いましょう。
② スクワット+ピラティスボール
スクワットは下半身全体を鍛える代表的な運動ですが、重心位置を正しく保つことで腸腰筋も活性化できます。
ピラティスボールを使うことで、より正しい重心感覚を身につけることができます。

やり方:
1.空気を少し抜いたピラティスボールを片足で踏み、腰幅よりやや広めに立つ。

2.左右均等に体重をかけながら、ゆっくりスクワットを行う。

3.20回を1セット。
ポイント:
- 足裏全体でボールを踏み、ずれないようにコントロール。
足裏全体で踏むことで、重心の位置が正しい位置に補正され、腸腰筋が使われます。

- 難しい場合は壁に手をつけて補助してOK。
- ボールをつぶすように意識しながら行うと効果的です。
まとめ:腸腰筋を鍛えて転倒予防&若々しい歩行へ
腸腰筋がしっかり働くと、歩行が安定し、足がスムーズに上がります。
結果として転倒防止だけでなく、姿勢改善・スポーツパフォーマンス向上にもつながります。
スクワットやワンレッグストレッチが難しい方は、
まずは椅子に座って片脚を持ち上げる軽い運動から始めてみましょう。
カメシチで若返り運動を
Personal training studioカメシチでは、
ピラティスのメソッドを取り入れた腸腰筋機能改善プログラムを行っています。
股関節をしっかり機能させ、姿勢と歩行を若々しく保つサポートをいたします。
「最近、つまずきやすい」「姿勢を良くしたい」という方は、ぜひ一度お試しください。