東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、ピラティストレーナー&管理栄養士の吉田尚弘です。
「なんでこんなに肩が前に出てるの?」「姿勢を良くしてるつもりなのに…」
鏡に映った自分の姿を見て、ふと違和感を覚えたことはありませんか?
「肩が内側に入ってる気がする…」「いつも肩や首がガチガチ…」そんな思いを抱えたまま、ストレッチや姿勢矯正に取り組んでも、気づけば元通り。むしろ悪化してる?と不安になる方も少なくありません。
実は、その“巻き肩”には隠れた本当の原因があります。
それは――上腕骨頭の内旋と胸郭のアライメントの崩れ。
今回は、見落とされがちなその根本原因に、身体の仕組みとともにじっくり向き合ってみましょう。
巻き肩って、ただの姿勢の問題じゃない

「巻き肩」は、肩が前に入り込んで胸が縮こまり、背中が丸まったように見える姿勢のこと。でもこれは、ただ“見た目が悪くなる”だけの話ではありません。
・ 肩こり・首こりが慢性化する
・腕がスムーズに上がらない
・呼吸が浅くなって疲れやすい
・背中や腰の張りが取れない
・なんとなく自信が持てない…
そう、巻き肩は“心と身体のコンディション”に大きく影響する状態なのです。
それなのに、ただ胸を張るように意識したり、筋トレやストレッチをがんばっても効果が出にくい。なぜかというと――
見逃されがちな原因①:上腕骨頭の内旋
「肩が巻いてる」=肩甲骨の位置が…と思いがちですが、実は、腕の骨自体(上腕骨)が内側にねじれている状態が隠れています。
この“上腕骨頭の内旋”が、巻き肩の根っこにあるもの。

内旋する理由は?
・パソコンやスマホの多用(腕を内旋させた状態が長時間続く)
・大胸筋や肩甲下筋が固まり、内旋方向に引っ張られる
・肩を外に開くための筋肉(棘下筋・小円筋)が弱くなる
・猫背気味で、肩甲骨が外へ広がる
つまり、私たちが知らず知らずのうちに繰り返す「日常の姿勢や動作」が、上腕骨を内旋させ、巻き肩を“癖づけてしまっている”のです。
見逃されがちな原因②:胸郭のアライメント崩れ
肩だけが原因だと思われがちな巻き肩。でも、体幹、特に「胸郭(肋骨まわり)」の配置がおかしくなると、肩は必ず巻き込まれます。
胸郭が前に傾くことで、肩甲骨は外側に押し出され、上腕骨も内旋しやすくなる――これが“身体の中で起きている連鎖反応”。
どうして胸郭がずれるのか?
・背中が丸まって、肋骨が前に滑り落ちてしまう
・下位肋骨が開いたまま固定され、胸がしぼんでしまう
・呼吸が浅くなり、肋骨が動かなくなる
・肋骨と骨盤の距離感が近く、縮こまった姿勢になる
この胸郭の崩れは、見た目の悪さだけでなく、“呼吸の浅さ”や“体幹の不安定さ”を引き起こします。呼吸の質が変わると、気分やエネルギーにも直結するのです。
呼吸が浅いと、肩がもっと巻いていく
巻き肩の方の多くが「胸で呼吸していない」のをご存知ですか?
浅くて速い呼吸、肩だけで吸うような呼吸になっていませんか?
これは、肋骨が本来のように“360度広がって戻る”という動きを失っている証拠。
特に、呼吸の主役である“横隔膜”が動きにくくなると、体幹の安定性も崩れ、姿勢がますます悪化し、肩が前へ前へと押し出されていきます。
息のしづらさ=巻き肩を固定する要因。
呼吸を変えることが、巻き肩改善の最初の一歩になるのです。
ストレッチだけじゃダメ?“骨の位置”を整えよう
ここで、ちょっと立ち止まってほしいのです。
・胸を伸ばすストレッチ
・背中のトレーニング
・肩を後ろに引く意識
これらを一生懸命やっても、巻き肩が元に戻ってしまう経験ありませんか?
それは、骨と関節の位置が整っていないまま、筋肉にだけアプローチしているから。
巻き肩の改善には、
- 上腕骨の“外旋”を呼び戻す
- 肋骨と骨盤のニュートラルポジションを意識する
- 呼吸によって胸郭の弾力性を取り戻す
- 全身の連動で肩まわりを整える
こうした骨・筋肉・呼吸のトータルアプローチが不可欠なのです。
ピラティスで巻き肩にアプローチする方法
巻き肩改善 胸郭ストレッチ

①仰向けになり、膝をそろえ片手を肘が90°になるようにし、肘から前椀をマットに着けておく。
②鼻から息を吸い、肋骨を広げるように胸に空気を入れ、ゆっくり口から吐く。その作業を左右10~15回ほど繰り返す。胸の筋肉の伸び感を感じること。
巻き肩改善 胸郭引き上げ呼吸

①胸と腹に手の平を当てる。

②胸に手当てている部分に鼻から吸った空気を入れ、鎖骨を引き上げる。その際にお腹が膨らまないように軽く腹筋に力を入れる。①と②の動作を20~30回繰り返し、鎖骨を引き上げる。
*呼吸をしながら腰が反りすぎないように注意する。
あなたの毎日が、肩を巻かせている
私たちが生きるこの現代社会の生活様式
スマホ、パソコン、座りっぱなし、情報過多。
それらが静かに、確実に、身体を変えてしまったのです。
これらのデバイスを無しでの生活は考えられませんので、
日頃から、ストレッチや呼吸を意識をして少しでも巻き肩を防ぎ姿勢を正しましょう。
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