1. 呼吸がピラティスの土台になるって知ってましたか?
東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、ピラティストレーナーの吉田尚弘です。
ピラティスのレッスンを受けると、まず最初に「呼吸の練習」から入ることがよくありますよね。
「なんで呼吸がそんなに大事なの?」
「正直、動きのほうが重要じゃない?」
そんなふうに感じたことのある方も多いかもしれません。でも、ピラティスでは呼吸こそが動きの土台。呼吸が整うことで、体の動きもぐっと変わってくるんです。
2. ピラティスでは「胸式呼吸」を使います
ピラティスでよく使われるのが、「胸式呼吸」という呼吸法です。
これは、息を吸うときに胸を横に広げるように空気を取り入れ、吐くときには肋骨(ろっこつ)を内側に締めるようにして息を吐く方法です。
「お腹を膨らませて吸う呼吸(腹式呼吸)」と違い、胸まわりをよく動かすのが特徴です。
この胸式呼吸には、次のようなメリットがあります:
- お腹を引き締めたまま動ける(体幹が安定する)
- 背筋が自然と伸びて姿勢が良くなる
- 肋骨や背骨がよく動くようになる
動いているときにお腹がふくらむと体がブレやすくなってしまうため、体幹をしっかり安定させるために、ピラティスでは胸式呼吸を使うのです。
3. 吸って、吐いて──それだけで体が変わる
呼吸は、ただ生きるためのものではありません。
ピラティスでは「呼吸そのものを動きの一部」として使っていきます。
たとえば、息を吐きながらお腹を引き締めて背骨を丸める動きでは、「呼吸が筋肉を働かせる“スイッチ”」の役割を果たします。
実はこれ、「能動的な呼吸(能動呼吸)」と呼ばれる考え方に近いんです。
意識して呼吸をコントロールし、体の筋肉や動きに影響を与えていく
──これが、ピラティスにおける“呼吸の使い方”の本質です。
ただ息をしているだけではなく、呼吸そのものが「トレーニングの一部」になっていると考えると、呼吸が一気に重要に感じられますよね。
4. 呼吸を味方につけると動きがもっとラクになる
ピラティスでは、動きと呼吸をセットで行うのが基本です。
たとえば:
- 息を吸って背筋を伸ばす
- 吐きながらお腹を引き込んで前に倒れる
- 吐くことで余分な力を抜きながらねじる
このように呼吸と動作を合わせることで、無理のない自然な動きが生まれます。逆に、息を止めたり呼吸を忘れてしまうと、体が固まりやすくなり、首や腰に余計な力が入りやすくなってしまうんです。
5. 呼吸で変わる!姿勢・集中力・ストレス
呼吸を整えることで、こんな嬉しい効果も期待できます:
- 背中や肋骨がしなやかに動くようになり、猫背や巻き肩の改善につながる
- お腹の奥の筋肉(腹横筋)が働きやすくなり、お腹まわりがスッキリ
- 呼吸に集中することで、ストレスが落ち着き、集中力がアップ
まさに、呼吸ひとつで体も心も変わるんですね。ピラティスが“マインドフルなエクササイズ”と呼ばれる理由もここにあります。
6. 今日からできる!ピラティス式呼吸の練習法
最後に、初心者でも自宅でできる簡単なピラティス呼吸の練習をご紹介します。
🔹 胸式呼吸のやり方(座って行えます)
- 背筋を伸ばしてイスに座る
- 両手をあばら(肋骨)の左右に当てる
- 鼻から息を吸いながら、あばらが横に広がるのを感じる
- 口からゆっくり息を吐きながら、あばらが内側に閉じるのを感じる
- これを5〜10回くり返す
ポイントは「お腹はふくらませない」「胸が膨らむ感じを意識する」こと。慣れてきたら、動きに合わせて呼吸を取り入れていきましょう。
まとめ:ピラティスの呼吸は、動きと心をつなぐ“鍵”
ピラティスで使う胸式呼吸は、単なる呼吸法ではなく、
- 体幹を支える
- 動きをスムーズにする
- 姿勢を整える
- 心を落ち着ける
といった多くのメリットを持っています。
しかも、これらはすべて「意識して呼吸する」=能動呼吸の考え方に基づいています。
呼吸を変えると、動きも変わる。
動きが変わると、体と心が整っていく。
そんな体験を、ぜひあなたもピラティスで実感してみてください。
詳しくはこちらをご覧ください。
*参考文献 Return to Life Through Contrology