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ファスティングを考える

東京都文京千石・本駒込パーソナルトレーニングスタジオKame7 管理栄養士&トレーナーの吉田尚弘です。

あなたはファスティング(断食)を経験された事はありますか?ファスティングを実践する目的は様々だと思います。胃腸の調子が悪くて体の中を空っぽにしてリセットしたいとか、単純にダイエット。あとは女性の方なら生理痛や生理不順を改善したいなどが挙げられますでしょうか。

今回はこのファスティング(断食)をしている最中に、体の中ではどのような変化がおきているのかを見てみたいと思います。ファスティングが良いとか悪いとかの観点ではなく、単純に体内ではこんな変化が起きているという事実をお伝えします。

ファスティング(断食)とは

ファスティングとは一定期間中、固形物は食べずに過ごす断食です。

ファスティングの目的

ファスティングの本来の目的は、食べないことで毒素を排出し、体調を整える、リセットすることです。たまにダイエットのためにやりたい方がいますが、これは本来の目的ではありません。この現代社会は飽食の時代ですから、付き合いなどで食べ続ける事もあり、胃や腸や肝臓などの内臓を休ませて体調を調えるのは必要なことだと思います。ただ、毒素が抜けるというのは個人的にはちょっと疑問です。そもそも毒素とは食品添加物や農薬の事を指すのだと思いますが、入った物が、単純に食べないだけで簡単に出ていくものなのでしょうか?汗をかいてもデトックスにはならないというデータがあるように、ファスティングするだけで毒素が出ていくとは考えにくいのでは?・・・・デドックスといえば何となく惹かれる部分があるのかもしれませんね。

ファスティングのやり方

専門の道場に宿泊して行う方法もありますし、専門家の元で自宅で行う場合もあります。期間は2日から長くて6日間位ですね。自宅で行う場合は酵素ドリンクと呼ばれるフルーツで作った甘いドリンクを飲みながら行うようです。詳細な方法は、それぞれ専門家のHPを検索してみてください。

ファスティング中の体内代謝

通常の糖代謝

体内での栄養の代謝で最も重要なのが糖質の代謝です。なぜなら私達の細胞は主として糖をエネルギー源として活動しているから。まずは糖質の代謝を簡単に確認してみましょう。ご飯やパン、麺類に含まれるでんぷんは小腸でブドウ糖まで分解されて、小腸から吸収されると活動エネルギー源として肝臓、筋肉に貯えられます。ただし貯えられる量は決まってますので、それ以上摂取した分は体脂肪に変換されて貯えられます。これが簡単ですが通常の食事をした時の糖の代謝です。因みに、筋肉と脂肪細胞に糖が入り込むためにはインスリンの働きが必要です。

ファスティング中の糖代謝

では、ファスティング中の糖代謝を見てみましょう。
<ファスティング1日目>
ファスティングを一日行っただけで、肝臓や筋肉に貯蔵しておいた糖は枯渇しますので、私達が生きていくためにエネルギー源を確保しないといけません。そのために筋肉と脂肪を糖に変えてエネルギー源します。まず筋肉を分解して糖をを作りだしますが、筋肉由来の糖は約180g/日作られ、脳が活動するためのエネルギー源として使われます。そして脂肪由来のケトン体が60gが利用されます。(ケトン体ー体内の脂肪が分解されてできる産物)

<ファスティング2日目>
絶食が2日以上続くと、筋肉由来の糖は約80g/日にまで減少します。そして脳での糖利用も約65%に抑制されます。ケトン体利用も45gになり、かなりエネルギー消費抑制モードになっていきます。さらに脳神経細胞では糖不足によるシナプス伝達が不可能になり記憶力が低下していきます。ファスティングをすると脳が冴えると言われますが、これは脳が省エネ状態で、普段通りに活動しようとするために冴えているように感じているわけです。

これが3日、4日と続くとさらに省エネモードが続くわけです。たった二日だけ断食をしただけで、実は脳や肝臓、筋肉などあらゆるところで変化が起きていることが解ります。

まとめ

ファスティングに対する考え方や取り組み方は、人それぞれなので悪い良いはないと思います。ただ、物事にはメリット・デメリットがあり、全てパーフェクトな物は世の中には存在しません。ファスティングには普段使いすぎている内臓を休ませ精神的にもリセットできる、生理痛が良くなったなどのメリットもあるわけですが、筋肉が減って代謝が下がるなどのデメリットも出てくるわけです。そこをしっかり理解しながら行うことが大切なのではないでしょうか。因みに僕は、食べるのが好きなのでファスティングできませんけどね(笑)

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