肩こり・猫背が治らない…前鋸筋の働きを知れば、姿勢はここまで変わる!

前鋸筋は肩甲骨から肋骨に付着している筋肉 BLOG
前鋸筋は肩甲骨から肋骨に付着している筋肉

はじめに:肩甲骨が不安定になると、日常生活でどうなる?

東京都文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチ、ピラティストレーナー&管理栄養士の吉田尚弘です。

「なんだか最近、肩がこる…」
「腕が上げづらくて洗濯物を干すのがツライ」
「姿勢が悪くなったと感じる」

このような日常のちょっとした不調、実は「前鋸筋(ぜんきょきん)」という筋肉がうまく働いていないことが原因かもしれません。

この記事では、前鋸筋が弱くなると日常生活にどんな支障が出るのか、そしてその改善方法について、ピラティスメソッドの視点も交えて詳しく解説していきます。


前鋸筋とは?肩甲骨の動きを支える縁の下の力持ち

前鋸筋は、肋骨から肩甲骨の内側縁にかけてついている筋肉です。

この筋肉が収縮することで、肩甲骨が体の外側に滑るように移動(プロトラクション)したり、腕を挙げるときに肩甲骨を上方に回旋させたりします。

前鋸筋は肩甲骨から肋骨に付着している筋肉
前鋸筋は肩甲骨から肋骨に付着している筋肉

主な働きは以下の3つ:

  • 肩甲骨を前方へ引き出す(パンチ動作など)
  • 肩甲骨を上方に回旋させ、腕の挙上をサポート
  • 肩甲骨を胸郭に安定させる(翼状肩甲を防ぐ)

前鋸筋は「ボクサー筋」とも呼ばれ、スポーツだけでなく日常動作にも深く関係しています。


前鋸筋が弱化すると起こる日常生活のトラブル

1. 肩こり・首こりが慢性化する

前鋸筋が弱くなると肩甲骨の位置が不安定になり、その代償として僧帽筋上部などが過剰に働きます。その結果、肩や首の筋肉に過緊張が起こり、慢性的な肩こり・首こりを引き起こします。

2. 腕がスムーズに挙がらない・洗濯物が干せない

腕を挙げるときには肩甲骨が上方に回旋する必要がありますが、前鋸筋がうまく働かないとこの動きが制限され、「腕が上がりづらい」「途中で痛みが出る」といった問題が出ます。

3. 姿勢が崩れる・猫背になる

前鋸筋が働かないことで肩甲骨が背骨側に寄り、胸が閉じた猫背姿勢になります。これは見た目だけでなく、呼吸機能の低下や集中力の減退にもつながります。

4. 荷物を持つと肩が痛い・だるい

買い物袋や子どもを抱っこする場面などでも、肩甲骨が不安定だと腕の力だけで支えることになり、肩周りの疲労が増しやすくなります。


翼状肩甲とは?前鋸筋のサインを見逃さない

「背中の肩甲骨が浮いているように見える」「背中を壁につけたときに肩甲骨だけ離れている」と感じたら、それは「翼状肩甲(よくじょうけんこう)」と呼ばれる状態です。

これは、前鋸筋が弱くなって肩甲骨が肋骨から浮き上がってしまっている証拠。

この状態では、肩甲骨がしっかりと安定せず、肩の動きがぎこちなくなります。日常的に感じる肩や首の違和感の背景に、実はこの「翼状肩甲」が潜んでいることも少なくありません。


前鋸筋を鍛える!おすすめ改善エクササイズ

1. 前鋸筋パンチ(プッシュプラス)

①両手は肩の下、膝は腰の下になるように四つ這いになる。その時に背中はしっかりと伸ばし平らになるようにする。

四つ這いで背中を伸ばす
四つ這いで背中を伸ばす


②背中を丸めないように、肩甲骨だけを寄せ、外に開いて①の姿勢に戻す。その時に肩甲骨周り筋肉を動かすイメージで。

肩甲骨を寄せて、前鋸筋オフ
肩甲骨を寄せて、前鋸筋オフ

ポイント
腰が反ったり、背中が丸まらないように意識する。

2.肘付きプッシュアップ

①マットにうつ伏せになる。その時両肘は曲げて、肩よりも下の位置になるようにする。

うつ伏せで両肘をつき、体を持ち上げる
うつ伏せで両肘をつき、体を持ち上げる


②肘と膝を支点にして、体を浮かせる。その時に肩がすくまないように首は伸ばしながら体を持ち上げる。約10秒キープ。


③①と②の動作は5~6回繰り返す。

うつ伏せで肘で支える
うつ伏せで肘で支える

ポイント
少し上級者向けのエクササイズになります。腰や肩に痛みを感じたら無理せずにストップしましょう。


ピラティスで前鋸筋を活性化するメリット

ピラティスでは「肩甲帯の安定化」を非常に重視しています。

呼吸と連動させて肩甲骨を正しい位置に保つ練習をすることで、前鋸筋が自然と活性化し、以下のような効果が期待できます:

  • 肩こり・首こりの予防
  • 姿勢改善(猫背・巻き肩の解消)
  • 呼吸が深くなることで代謝も向上
  • 腕や手の動作が滑らかになる

ピラティスマシン(リフォーマーなど)を使えば、より正確な肩甲骨のコントロールが可能です。


前鋸筋を意識するだけで、生活が驚くほど変わる

たかが1つの筋肉と思うかもしれませんが、前鋸筋は上半身全体の安定において非常に重要です。

前鋸筋がうまく働くようになると、

  • 姿勢がすっきりして印象が良くなる
  • 肩や首の痛みが減り、快適な日常を取り戻せる
  • 呼吸が深まり、気持ちが落ち着く
  • 腕を上げる・荷物を持つ・運転するなどの動作がスムーズになる

といった、多くの「日常の困りごと」が解消されていきます。


おわりに:まずは自分の肩甲骨に意識を向けてみよう

肩甲骨が「どこにあるか」「どう動いているか」を日常で感じたことはありますか?

ほんの少しの意識と、簡単なエクササイズを継続することで、前鋸筋は確実に活性化していきます。

「なんだか肩周りがスッキリしない…」そんな時こそ、前鋸筋を整えるチャンスです。

文京区本郷三丁目Personal training studioカメシチでは、ピラティスや機能的トレーニングを通じて、肩甲帯の安定と美しい姿勢作りをサポートしています。
美脚・美姿勢コースの詳細はこちら

タイトルとURLをコピーしました