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たんぱく質を色々な角度から考える

東京都文京区千石パーソナルトレーニングスタジオkame7、管理栄養士&トレーナーの吉田尚弘です。

今、この記事を書いているのは、まさにコロナの影響により非常事態宣言が出ている真っ最中です。外出も自粛し、食事は自宅で召し上がる方も多いと思います。そこで今回は食事、特にたんぱく質について長所、短所を俯瞰して考えてみようという記事にしたいと思います。

俯瞰してみる

テレビやインターネットの世界では○○を食べるとコレステロール値が下がった!とか、血液サラサラ作用がある!はたまた○○を食べ続けたら痩せた!とかいう記事が溢れてますよね。

物事はなんでもそうですが、必ず表と裏、長所と短所があります。例えば医療では癌患者には抗がん剤治療を行いますが、その際に癌細胞を殺す反面、健康な細胞も殺すという短所がある。トレーニングでもスクワットは、下半身を鍛えるには最適な運動ですが、膝、腰を痛める危険性もあるというようにこの世の中に万能なものは存在しません。しかしながら食べ物に関しては、何かに対して効果があったことだけを取り上げてマイナス面を知らせない事が多く、偏った情報しか得られないのも事実です。たんぱく質も同じで私達の体でどんな反応が起きるのか、別々の角度から俯瞰して考えてみましょう。

たんぱく質

肉か野菜か

ここ数年、筋トレブームもあり必要性が叫ばれているたんぱく質。厚生労働省によるたんぱく質の1日の必要量は成人男性で60g、成人女性で50gとなっていますので、大体体重1㎏に対して1gくらいの必要量だと考えられます。そして、人間を構成しているアミノ酸により近い方が良いので、動物性たんぱく質を摂るようにして、なかなか食事で摂りにくい場合は、プロテインを活用することもメリットがあります。

 

参考文献 たんぱく質の働き

と、これが、今は常識的な感じになっています。

ただ、これをまったく違う視点から考えるのがベジタリアン、ナチュラルハイジーンと呼ばれる、野菜と果物を中心とし食事法です。

ナチュラルハイジーンは、消化器官の働きを重要視しています。なぜなら、消化器官は他のどの臓器よりも大量のエネルギーを消費していると考え、加熱した肉などのたんぱく質は構造変化を起こしているので体内利用効率は著しく悪く、生体にとって利用できないものは毒であるとしています。基本的に肉は食べず、たんぱく質は体内利用効率がよい野菜に含まれるアミノ酸で十分に摂取できると考えます。確かに人間の体を構成しているアミノ酸バランスとは違いますが、野菜や米にだったアミノ酸は含まれますから。

ナチュラルハイジーンとは

 

食べ合わせ

一般的に、たんぱく質の吸収を高めるのはインリンです。インスリンは糖質を摂取すると血糖値が上昇し分泌されるわけですが、その時に血中のアミノ酸を筋肉細胞に引き込み、たんぱく質合成を促進する働きもあるのです。なのでプロテインを飲む場合、ブドウ糖も一緒に摂取しますし、食事でも肉と炭水化物の組み合わせも有効です(それぞれ消化・吸収時間が違うので一概には言えませんが)

インスリンの働き

しかし、ナチュラルハイジーンの考え方では、糖質(でんぷん)の消化を行う唾液アミラーゼはアルカリ性、肉の消化を行う消化液は酸性です。これらが混在すると中性化して酵素活性が低下するとなっています。そうなると、内臓に負担がかかり消化にも時間がかかるので疲れやすくなるのです。まれに食後、低血糖症の方がいらっしゃいますがこれは消化にエネルギーを使うからだとも考えられているので、なるべく内臓には負荷をかけない方が健康的だとなるわけです。

まとめ

結論から言えば、どちらが正しいとか間違っているはありません。同じたんぱく質、肉類をどういう角度から見て考えるかで見え方が変わってくるというだけです。内臓が丈夫で肉が大好きな方は、たんぱく質を肉から摂取すればよいですし、消化機能が弱い方はナチュラルハイジーンの考え方を取り入れて無理に肉を食べずに野菜や穀類からたんぱく質を補えばよいと思います。
これは、糖質でも同じことが言えますね。糖質制限が良いのか糖質はしっかり摂った方がいいのか。これも見る角度によって全く変わってくるわけです。

 

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